貝原益軒「養生訓」の中に“飲食および脾胃の大切さ”に関する一説があります。

身体は元気を天地から受けて生れ出たものであるが、飲食の養分がないと、
元気は飢えてなくなり
命をたもつことが出来ない。
それゆえに、飲食の養分は毎日欠くことの出来ない大切なものである。

とはいうものの、飲食は人間の大欲であって、好みに任せて食べ過ぎると、
脾胃を傷つけて諸病を
ひき起こし、命を失うことになる。

五臓が生じるのは腎からであるが、それ以降は脾胃が中心になり、飲食すると
脾胃が受けて消化し、
その養液を内臓に送り出す。

それゆえに、養生の道は、先ず脾胃を調える必要がある。
それが身体における第一の保養である。

そして、飲食を適度にして身体を養うことが肝要である。

(注:東洋医学(中医学)における“脾”は、消化器系の機能全般を指しています。)